刑事とJK~続編~
第18章 刑事危機
「あ、ごめんね吉川君
この写真見てほしいんだけど…」
中島は吉川に写真を渡した
「斉藤じゃないっすか、しかも何だか犯罪の匂いが…」
吉川は写真をじっくり見る
「でも」
全員、吉川の次の言葉に注意を払った
「これぁ偽物っすね
明らか合成写真っすよ」
「ほんとか、吉川!!?」
藤野は喜び勇んで吉川の腕を揺すった
「ほんとほんと。
まぁまぁ上手く作ってあるけど、
斉藤の輪郭にブレがあるし、背景との大小比率も無茶苦茶だ」
吉川は写真をペラペラと揺らした
「やっぱり、先輩がそんなことするわけないんすよ!!
中島さん、早く先輩のクビを取り消して…」
「まだ早いんだよ」
「え?」
「実はそれらの写真は昨日送られてきてね
手紙も一緒に、封筒に入ってたんだ」
シゲは顔をしかめた
「手紙って?」
「"斉藤正貴を解雇しろ。さもなければこの写真をばらまく"ってね」
「なっ…でも、こんな偽写真をばらまいたって意味なんて…」
「あるよ」
南が口を挟んだ
「こういうことに詳しい吉川だから、この写真が偽物だって気づけたが
一般人がそれに気づくのは時間がかかるだろう
第一、俺たちも合成写真だってわからなかったしな」
「でも、後で偽物だってわかったら全部済むことじゃ…?」
「それじゃ遅い
一度世に出たものは、メディアに一気に取り上げられる。
立派な悪名をつけられてな」
南はフゥッと息を吐いた