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刑事とJK~続編~

第20章 篭城突入策


「おい、斉藤戻れ!!」


南は斉藤の腕を掴んで止めようとしたが、止まってくれそうにない


そのまま、正面入口の前まで来た


「おい、斉藤…」
「要求は何だあああああー!!!!!!???」


辺り一帯に響き渡るほど大声で斉藤は叫んだ


すぐそばにいた南は頭が痛い



「何でこんなことしてんだあああああー!!!!!???」


「斉藤やめろ、もうちょっと慎重に…」


と、その時、アミューズメントパークの2階にある窓が開いた


!!?



窓から顔を出したのは、いなくなったレポートキャスターだった


その顔は恐怖で染まっている



「そ…」



「!?」



何かを伝えようとしているようだ


斉藤と南は耳を澄ませた



「そ…総理…大臣の…辞退…」


「!?
どういうことだ!?」



「た…助け…キャッ!!」



キャスターは、中に引っ張り込まれ
また窓を閉められた



「…」



斉藤と南は急いで長谷川のもとへ引き返し、"総理大臣の辞退"という言葉を伝えた


「辞退…か、なるほどな」



長谷川は納得したような態度を表した



「総理大臣が何なんだよ…?」



「実は日本政府の一部が、アメリカの裁判制度に口出ししてきてな…
より厳しいものにするべきだ、と」



「日本の方が裁判は優しいはずなのに、さらにアメリカに厳しさを要求してるんですか?」



「アメリカは銃規制がないから…それを口実にな。
おそらく犯人は、そんな日本政府に反感を持ってこんな事件を起こしたんだろうよ」



「たったそれだけで…?」



「斉藤、お前にとっては"たった"なことでも
他人にとってはそれどころじゃ済まないこともある」



「…」



「それが、人間だ」







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