テキストサイズ

刑事とJK~続編~

第20章 篭城突入策


――――



斉藤が一人向かったのは、爆弾処理班の専用運送車だった


後ろの積み荷を調べると、出るわ出るわダイナマイトの山だ


その山の中から1本と、ダイナマイト用に用意してあったライターを拝借し、

アミューズメントパークの裏手に走った



長谷川に言われたこと


それは、正面入口に皆が気を取られている間に
裏手に回って爆破させ、パーク内に突入しろとのことだった



遠くから、また爆発音が聞こえてきた

続いて鳴り響く発砲音


まるで戦争だ




「ここか…」




斉藤はパークの裏手にあるシャッターの前まで来た


大きな荷物を運び込むときに使われるであろうシャッターは、
おそらく壁よりも薄く、簡単に穴を空けることができるだろうと踏んだのだ




ダイナマイトに火をつける



と同時に、目を見開いた




「ゆうひ!!?」



『さ、斉藤!!?』



何でこんなところにゆうひがいるんだ…!?



「お前どうしてここに…!?」



『いやあの…ちょっと偶然通りかかって…』


小泉に会いに…とは言えない




しかし、ゆうひがパークの裏手を通っていたのは
本当に偶然だった




『斉藤は何して…って、斉藤!!何持ってんの!!??』



「へ?」



斉藤が自分の手元を確認すると、ダイナマイト…
しかも着火済みの



「え!!?お、おいおいおいおい!!!!??」


『斉藤ぉ、おぉお落ち着いてぇ!!!』



どちらもパニックになった

斉藤は本来の目的をど忘れしてしまい、わたわたと手の上でダイナマイトを転がす


『ちょっと何とかしてよ、斉藤!!!』

「待て待て待て!!
これ何だ、これ何だー!!?」




「貸して」




誰かがひょいとダイナマイトを手に取り、シャッターの方へ投げた


ダイナマイトはシャッターに当たったと同時に、ドォンッ!!!と爆発した










「ククッ、斉藤も意外とボケボケなんだね」




男は、相変わらず卑しい笑みを浮かべた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ