刑事とJK~続編~
第3章 トムおじさんの正体
『…斉藤』
「おぅ、どこ行ってたんだ?
トイレか?」
『…は?』
トイレ…?
何それ、無神経にもほどがあんじゃないの…?
『腹立つ』
「へ?」
その時、ゆうひの後ろにいたトムが斉藤の背中を押して
草陰に入って行った
「斉藤様、ちょっとすいませ~ん」
「?」
トムは、あの陽気な雰囲気は微塵も感じさせないほど低い声で、斉藤の耳元で呟いた
「自分の女から目を離すな。」
「!!?」
――――この声は…!!!
いや、まさか…
「ってことで~す、後でお嫁さんに謝っときましょうねー」
また、陽気な感じに戻った
「…オッサン、もしかして…」
「早くごめんなさいしましょーう」
トムは無理矢理斉藤をゆうひの前に連れて来させた
「…」
『…』
謝るって…何を?
「何で怒ってんだ?」
『気づけっつの』
「…、わかんねぇし
ってか怒りてぇのはこっちだ」
『はぁ?
なんでよ?』
「おめぇ、三宅の男とばっかし喋ってたじゃねぇかよ」
『それは…』
斉藤があたしを見てくれないから、わざとそうしたんだよ…
『で、でも、斉藤だって
細川さんとか、舞さんとかとずっと仲良さそうに喋ってたじゃん』
「それはおめぇが…オレを見てなかったから…」
『え?』
「…悔しくって…おめぇが…ヤキ、モチ、焼くかなぁって…思って…///」
斉藤は俯いた
『…え、つまり…』
お互いにお互いを、ヤキモチ焼かせようとしてたってこと?