刑事とJK~続編~
第26章 全ては復讐のために
グラウンドに着くと、羽生はグラウンドの真ん中まで足を進めた
たった一本の花火なんだし、別に端でやったっていいんじゃないか?
とは思ったが、黙って後ろを付いて行った
「水汲んだ?」
「汲んだ」
俺は暗がりの中、羽生に水の入ったバケツを見せた
「よし、じゃあ火つけよう!!」
羽生はその場にしゃがみ込むと、持っていた花火に火をつけた
俺も隣で、その様子を見ていた
火はジワジワと燃え広がり、突然バシュウッと音を立てて黄色い火花を散らした
「…」
「?」
やかましかった羽生が、花火がついてる間は何も言わなかったので
不思議に思って横目で見てみた
羽生は、うっとりと花火を眺めていた
火花の明かりでほんのり照らされる羽生の顔が
どこか色っぽく
どこか可愛らしく見え
俺はそんな彼女から目が離せなかった
花火はだんだんと萎んでいき、最後は棒の先端に小さな火玉を残すのみとなった
また辺りは暗闇に包まれ、そしてやっと羽生は口を開いた
「綺麗だった…///」
今日聞いた中で1番落ち着いた声で
そう言った
花火をバケツの水につけ、シュンと言いながら火玉は消えた