刑事とJK~続編~
第26章 全ては復讐のために
またグラウンドへ足を運び…
二人でしゃがんだ
線香花火を片手に、慎重に火をつける
火は一瞬スッと燃え盛り、線香花火の先に吸い込まれた
そこからフワリと火玉ができ、パチパチと小さな音を立てながら火花を散らしていった
「手が震える~」
だんだん線香花火が右回りに旋回していく
羽生は、回らないように両手で持ったり端を持ったり試したが
線香花火は、撓わに実った火玉という果実を地上へ落とした
「あ…」
何となく、やってしまった…、というがっかり感
「まだあるし、次いこう」
俺はもう一本羽生に渡した
「うん///」
パチ… パチパチ パチパチパパパパ…
今度は
線香花火は最後まで命を繋いだ
「よしっ」
小さくガッツポーズする羽生
幼稚だなぁとは思いつつも、そんな羽生を見ているのが
いつしか
何よりも好きになっていた…
パ…パチ…パパパ…
俺の作った花火なんかに見惚れる羽生が
たまらなく
好きになっていたんだ…
「あたしね、思うの…」
「?」
何も返事せずに、次の言葉を待った
「花火って、咲き誇った花に似てるからじゃなくて
散っていった花に似てるから"花火"って名付けられたんじゃないかって…」
「散っていった花…」
そう繰り返した