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刑事とJK‡番外編‡

第23章 刑事とBG~Ⅱ~


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『あ』



ゆうひは自分の部屋に戻ろうとしたとき、椅子に斉藤の財布が落ちていることに気づいた




…よく財布落とすなぁ…




そんなことを考え、苦笑しながら斉藤が取り調べしている部屋へ向かった



廊下を進み、扉の前まで来たとき


中から声が聞こえた




扉は少し開いていて、部屋の様子を見ることが出来る



『…』



そっと覗くと、沙也加が斉藤をベッドに押し倒しているのが見えた




…嘘でしょ…?





その場にいられなくなり、ゆうひは走り去った





『っ―――…』




…嘘だよねえ…?




視界がぼやけてくると、そこから一気に温かいものが頬を流れ落ちて行く




『さぃ…と…ぉ』




ドンッ




角を曲がったところで、誰かとぶつかった




『っ…!!
ご、ごめんなさ…』



急いで通り過ぎようとすると、腕を掴まれ





「どうしたんですか…?」




振り向くと、それは祐司だった



『祐司さん…』



しかし自分が涙でぐしゃぐしゃだったのを思い出し、パッと顔を背けた



『な…んでも、ないですょ…』



下を向いたまま、去ろうとしたが

祐司は腕を離してはくれない




「…話、聞きますよ?」




『…ゆぅじ…さぁん…』




自分の顔が…とか、そんなことはどうでもよくなった



ただ何か、すがれるものが欲しくて


祐司に抱き着いたのだ








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