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刑事とJK‡番外編‡

第16章 佳奈の奮闘記




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いやだいやだとは思うけど、やっぱりゆうひちゃんをほっとくなんて
出来ない…



また、今日も断られるのかな?

って思いながら、あたしは話し掛けた




「ゆうひちゃん、お昼食べよーっ」



ゆうひちゃんは何かを覚悟したような目を向けてきた



『…うん』




「!!」




ほんとにびっくりした



あたしは動揺を見せないように続けた



「じゃ、あたしお弁当持ってくるねっ」




今までの苦労が報われた気がした





あたしは前の椅子をゆうひちゃんの机に向けて
そこに座った



ゆうひちゃんの机の上に、何も構わずにお弁当を広げる




ゆうひちゃんも、ちょっと遠慮気味にお弁当を広げた



「あ、すごーい!!」



ゆうひちゃんのお弁当は、すごく可愛らしかった



弁当箱じゃなくて、中身のおかずが、だ




「お母さんが作ってくれるの?」



『ううん、自分で作ってるよ』


「忙しいの?」



『…まあ、そんなかんじ』



ゆうひちゃんは言葉を濁らせた





何にしても、あたしが嬉しかったことに違いはない







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それから、あたしはどんどんゆうひちゃんと仲良くなっていった




ヨミは当たっていた



やっぱりゆうひちゃんとは気が合うし、楽だ




しかも、ゆうひちゃんはクラスにとけ込めてきている




笑顔が増え、今まで無口な子だったなんて想像出来ないほどだ



もうひとつのヨミも、当たっていた




明るくなったゆうひちゃんは、本当に可愛かった




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