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君が欲しい

第17章 僕の指

君は洗った葡萄を皿に乗せてダスターと一緒にトレイで、
僕の所まで持ってきてくれた。


「ありがとう」


お礼は言ったが、ちょっと今、手が放せない。


「剥いてあげる」


「ーん」


君はそう言うと、丁寧に剥いて、僕の口に入れてくれた。


口の中で甘い葡萄の果汁が広まった。


「ありがとう。美味しいよ」


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