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君が欲しい

第24章 今じゃない

買い物が済んでスーパーから出ると、珍しく君の携帯が鳴った。



「もしもし…あっお母さん…うん…えっ…うん…うん…だから諦めなって…うん…分かった…今帰るから…」


…えっ?


君は電話を切った。


「ごめん、潤平帰らなきゃ。また父がふらふらしてるみたいで、母がちょっと心配」


「あ、いいよ。気にしないで、お母さんとこ行ってあげなよ」


こんな事今までなかったからよっぽどなんだと思った。


「ごめんね。せっかく会えたのに」


君は申し訳なさそうな顔をした。


「全然いいよ。学校もすぐ始まるし」


「…うん」


君は少し元気がなくなっていた。


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