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君が欲しい

第6章 夢のような時間

駅からさほど離れていない地下にあるライブハウスに向かった。


僕の右側を歩く君の長い髪が風に揺れ、君の甘い香りがした。


地下への階段は薄暗い。


「暗いから気をつけて。」


と言ったのに君は階段で躓いた。


僕は咄嗟に手を取った。


「ありがとう。」


君の手はか弱く小さくて柔らかい。


君の手を握ったまま階段を下り、店内に入った。


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