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君が欲しい

第7章 疑惑と嘘

今日も教室では外野がうるさい。


ぶらぶらする手を邪魔だからポケットに突っ込み、座ったまま、机に伏せていた。


ああ、今日も仲村の自慢話か?


でも違った。


「南、ちょっといい?」


仲村の声が真剣だ。

僕は起き上がった。

「何?」


「この間の金曜日、俺の真緒と会ってない?」


誰かに見られたか?
だけど、僕は慌てない。


僕は二人がこれで破局しても構わないっていうか、都合が良い。


だけど、君が悲しむのは避けたい。


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