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君が欲しい

第10章 君の涙

「親父、アイスコーヒー二つ頂戴。」


「ん?誰か来てんのか?」


「この間のライブハウスに連れて行った子。」


「ああ、彼女か。」


親父はアイスコーヒーを作りながら言った。


「だから、彼女じゃないって。」


「じゃ、今からモノにすんのか。」


「それも違う。友達だから。」


「ふうん。友達ね。」


ああ、親父は意味深な言い方をしている。
全く信じてない顔だ。


「はいよ。まあ頑張れよ。」


「ありがとう。ってか何も頑張らないし。」


アイスコーヒーの乗ったトレイを受け取りながら言い返してやった。


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