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鬼畜の復讐2

第2章 悲劇の幕開け


コン、コン…拓真の病室の度合いがノックされた。

扉が開いた。

拓真に寄り添うあゆみがドアの方を振り返る。

「中山くん…」

現れたのは隆一郎だった。

「(クックックッ…植物人間の拓真を見に来てやったぞ?)」

隆一郎は、満喜枝と麗子に会釈をした。

「大変な事になってしまったね…あゆみちゃん」

「なんにも…なんにも応えてくれないの…拓真…」

「(拓真…か…)つらいな…これじゃ…生きているのに死んでいるみたいじゃないか…」

隆一郎の言葉に、あゆみや満喜枝、麗子は泣き出した。

「すみません!そんなつもりは…(クックックッ…ざまあみろ!ほぅ?妹もいい女だな…そそるぜ)」

「生きているだけ…何にもわからないのに…中山くんの言う通り…死んでいるのと同じ…わあぁぁ」
号泣するあゆみ。

「少し外で話さないか?あゆみちゃん…ここにいても、気が滅入るだろ」

あゆみは正直、隆一郎は嫌いである。普段言い寄られて迷惑であったが、気持ちの優しいあゆみは強い態度にでられないでいた。

隆一郎の申し出にも、普段のあゆみなら、にべもなく断ったのだが、拓真の事で正常な判断力が働かず、誰かに頼りたい気持ちから誘いにのってしまう。
悪魔の誘いに…

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