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思う存分愛し合った隆一郎とあゆみ。

「賢ちゃん、彼女がいるみたいよ、あなた」
「そうか…」
ふとあゆみが話したが、その後、二人は黙りこむ。
あゆみはいったあとに、昔の事を思い出した。
隆一郎も同じように…
「あゆみ…」
隆一郎はあゆみを抱きしめた。
「あなた…」
あゆみも賢太郎の歳には恋人がいた。
同じ歳で婚約もしていた…隆一郎と…
忘れてはいけないが、思い出したくない過去。
二人は無言のまま、抱きあって眠りについた。

………

「よう、あゆみ。幸せそうだなぁ？」
「拓…真？」
「息子、賢太郎くんだっけ？ドラフト一位みたいだなぁ？」
「拓真？あなた…どうして」
「一位指名されるといいなぁ？クックックッ」
「母さん！母さん！」
突然賢太郎が現れて、あゆみに駆け寄ってくる。
パパパパァァァン！
「えっ！？」
ドンッ！キキーッ！
車に轢かれ、宙を舞う賢太郎。
「クックックッ…気をつけないとなあ？クックックッ」
「いやぁ！！！！賢ちゃあああん！」

「パパ！」
「どうした？詩織」
「私と一緒に留学してくれる彼を紹介するね」
「な、何！？おい、詩織！」
「たくー」
「え？」
目の前に…
「よう、隆一郎。詩織ちゃんはいただいたぜぇ？クックックッ」
「に、二階堂！？いただいたとは、どういう…それにお前は死んだはず」
「パパ？たくオジサマ、エッチうまいんだから」
「なっ！？」
「クックックッ…隆一郎…詩織はあゆみにそっくりだぜ？カラダもアッチの声もな？クックックッ」
「オジサマぁん…して！」
「何を言ってるんだ！詩織！」

「賢ちゃん！！」
「詩織！！」
二人は目をさます。
隆一郎もあゆみも拓真が夢に出てきたことは話さなかった。