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鬼畜の復讐2

第8章 麗子と雄介


「雄介!!」
その声に雄介は立ち止まり、振り向いた。
「?」
となりの少女が
「誰?雄介」と、首を傾げている。
「俺だよ、雄介…」
拓真はサングラスを外した。
「……!?う、嘘…だろ…拓真…兄さん!?」
雄介は切れ長の目を見開いている。
「ああ…俺だよ、雄介。拓真だ」
「拓真…さん…目覚めたんだね!!本当に拓真ニィなんだね!!」
「久しぶりだな、雄介」

「うおおおおーーっ!拓真ニィ!!」
雄介は人目も憚らず泣いた。
「雄介ぇ?だぁれ?この人。お兄さん?」
「俺の尊敬する人だ。深雪」
「ふーん…」
「拓真さん、いつ…いつ目が覚めたんですか」
「一年前だ」
「一年前!?どうして、連絡くれなかったんです!!」
「目覚めてすぐは話せなかったし、身体は動かなかったんだ。リハビリで、1年かかった。それに、誰もいなくなっていた…」
「…拓真さん…姉貴のことは…」
「ああ、全て知ってる。そのことで、雄介に会いに来たんだが、またにしよう。デートの邪魔はしたくない」
「そんな、拓真さん!」
「これが俺のケー番だ。雄介の都合で連絡してくれ」
「拓真さん!俺、話したいことが沢山あって…」
「今日はやめとけ。連絡まってるぞ」

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