鬼畜の復讐2
第13章 懺悔
事態が動き出そうとしている、そんなある日。
中山隆一郎、あゆみ夫妻のマンション。
インターホンが鳴り、隆一郎が帰宅した。
「お帰りなさい、あなた」
「ただいま…ふぅ…」
「お食事は?」
「すまん、済ましてきたよ。風呂にする」
「はい」
隆一郎との生活も五年になる。
こういう態度の隆一郎は何か言いたいことがあるのだとわかるようにもなっていた。
一緒に晩酌をするのも当たり前になった。
「あゆみ…」
「はい、あなた」
「週末から1ヶ月ほど、海外なんだ…」
隆一郎はビールを一気に飲み干した。
「まあ…1ヶ月も?」
「海外遊説ってやつのお供でさ…あゆみ」
あゆみが隆一郎に寄り添う。
それが合図のように、口づけをかわす。
「1ヶ月…大丈夫か?」
あゆみが隆一郎に抱きついた。
「大丈夫ではありません…けど、仕方ありませんよ、あなた」
「あゆみ…」
「私は将来、政治家の妻になるのよ?あなた…」
あゆみが妖艷なフェロモンを放つ。
「う…あぁそうだな」
「そうなれば、家を空ける事も増えるでしょう?そんなときにいちいち、愚痴る妻があなたはお好みですか?」
「ハハハ…全く…俺の方が子どもだな…」