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A fin-de-siecle angel

第1章 A

私は会社の上司、畑辺純一郎に体の関係をせがまれていた。

私はコイツが面白くて面白くてしょうがなかった。

人間観察大好きな私はある種のお調子者でもあった。

私が一人残業をすれば科の一室で身体を潜めていたのはアイツだ。毎日のように「勝手に動く腰がとまらないわーもー助けて(笑)」とか肩に手をかけて笑いながら話しかけてくるものだから、ここは面白く、ワザと「勝手に動く腰が止まらない」と…面白くキーボードに指をかけたつもりが何故か画面には「セクハラ」と出ていた。
やはりこの頃から脳内年齢が低下しているのであろうか…
この脳の老化が、後に大事件を招く。

畑辺は会社から信用されていて悪い噂など一切耳にした事は無い。顔立ちもそれなりに整ってていつも爽やかで笑顔を無駄に撒き散らしまくっているためか科の女子達からの人気も高かった。

ただの変態野郎なのにネ。


毎日のように何処で知ったんだか奴からメールが何通も来る。
そんなにアタシとヤりたいか。

もちろん拒否はしない。むしろもう一台携帯電話を購入し(バーバリーのポッケの相棒)その携帯電話は畑辺専用の愛のメールボックスと名付けた。


こんな奴の正体を暴けた私の運の良さときたら…



こうして畑辺という昆虫の昆虫観察をしながらある程度女友達もいて楽しくOLライフを充実させていた。

しかしある日事件は起こる。


いつものように、夜、残業代目当てで無駄に仕事を残したやつを片付けようとしていた時、畑辺に電話で呼び出された。いつもは少しセクハラ染みた言葉も妙に色気付いていた。

興味本位で言われた場所に行く。

そういえばコイツも一人の男、たまには遊んでやろうかと、ふと思った。

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