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A fin-de-siecle angel

第2章 B

手首には包帯。
ちなみに今朝、なにをしたのかも覚えていない。

滴る、私の生きている証拠。

私の体内にはワインが流れている。

唇には血色。手首にはハズカシい、可愛らしいワインレッドを。
これが私の生きている証拠なのか。

鮮やかなワインレッドはそれを証明してくれなかった。

そういえば12年位前に無くしモノをした。それは忘れてしまったもの。それには確か説明書が付いていた。私の長い爪で弾けば一粉々になると書いていたものだから捨てたけど、今はもう、壊れているかもしれないしもう無くなっているかもしれない。

とりあえず、現金より価値がある気がしたから探す事にした。

それだけ記憶に残っていた。

見つけたらいくらで売り付けてやろうかな。
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