狼さんの腕のなか
第5章 彼の秘密
ー由紀斗side
「あら、次期当主様は
ケガでもしたのかしら?」
「保健室の先生ってのは
生徒に優しいイメージだけど?」
こいつ・・・笑いやがって
だから狼は嫌いだ
「フフッ、ごめんごめん!
これでしょ?」
「それ以外で俺がここに来たこと
あったっけ?」
小さなビンを受けとる
「ないわよ?いいわよね~
そんな体質って」
無駄に色気を振りまいて
白衣を脱いでハンガーに通す
美人だからファンは多いけど
正直興味ない
「あたしお昼行ってくるから
しばらく留守番頼めるかしら?」
「めんどくさい」
とか、言いつつ
いつもこれを貰ってる代わりに
これくらいは仕方ないと了承する
「よろしくね♪」
静かになる保健室には
俺と・・・靴があるからベッドに
病人が1人
と思っていたらあいつが来た