狼さんの腕のなか
第5章 彼の秘密
「美琴ちゃんのこと好きじゃなくても
契約は早くしなさいよ?」
「だから、それが出来たら
苦労してねーよ!!」
「フッフッフッ・・・」
突然不気味に笑う琉那
今までは思わなかったが
琉那は頭がおかしいのかもしれない・・・
「まーまー、由紀斗さん
幼馴染みの琉那ちゃんが協力して
あげるわよ♪」
「何企んでんだよ・・・」
呆れて、通話終了ボタンに手をかける
「名付けて!!!!!」
「っ!!」
電話越しの琉那の声が大きすぎて
思わず耳を塞ぐ
ソファーに落ちるケータイからは
「美琴ちゃんを由紀斗にメロメロに
させちゃおう作戦!!!!!」
そんなバカげた作戦が聞こえた
「はぁっ・・・・・」
「これで美琴ちゃんは由紀斗と
契約することに抵抗しないし!
離れる心配もなーし!!
って、聞いてる由紀斗?
もしもーし、ゆっΣ」
もう少し通話終了ボタンを
早く押しとけばよかったと後悔する
どうやら琉那は頭がおかしい上に
ただのバカだったみたいだ・・・