テキストサイズ

狼さんの腕のなか

第5章 彼の秘密



「今日は欠席無しね♪
丁度よかったわ、みんなお待ちかねの
修学旅行のお知らせよ♪」

先生のその言葉で
クラスで歓声が上がる

「修学旅行?」

あたしは琉那ちゃんに聞いた

「うん、毎年あるの
今年はどこだろ~♪」


「なんと今年の行き先は
ハワイよ!!」

その声で予想通り
さらに歓声が上がる

「琉那ちゃん!ハワイだって!」

そんなとこ行ったことないから
なんだかすごく楽しみ!!

「・・・琉那ちゃん?」

急に大人しくなった琉那ちゃん

「美琴ちゃん、琉那はね
中等部のときにハワイ行って・・・」

斜め前の席の子が
ハワイへ修学旅行に行ったとき
琉那ちゃんは海で溺れたらしく
トラウマになってると教えてくれた

「琉那ちゃん大丈夫?」

「う、うん、泳がなきゃいいだけだよ」

笑ってるけど本当は
泳ぎたいはずだ

あたしはそれ以上何も言わずに
授業が始まるのを待った




お昼休みは琉那ちゃんと
テラスでご飯
あたしはオムライス
琉那ちゃんはサラダだけ

「琉那ちゃんサラダだけ?」

「うん・・・ダイエットしなきゃだし」

「・・・」

いや、昨日あんなにケーキを
たくさん平らげといていまさらですか?

「いま、昨日はあんなに
食べたのにって思ったでしょ」

「え!」

琉那ちゃん鋭いι

「今日からだから!
今からダイエットするの!!」

拳をぎゅっとして
メラメラとダイエットの決意を
固める琉那ちゃん

ストーリーメニュー

TOPTOPへ