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狼さんの腕のなか

第2章 取り引き

確かにリムジンの中はテレビで見たように
広くて、シャンデリアなんかがついてて
普段のあたしなら興奮してキャーキャー
言ってだろうけど今はただ病院に行くことだけを考えていた

昌也はそんな重い空気を察して
リムジンの感想や学校であったことを
あたしや彼に話してくれて、彼の返答は
冷たかったのだけど場は和んだ

「着きました」

「ありがとうございました」
風間さんにお礼を言って凛の病室に向かう

「シスター」
昌也はシスターに駆け寄った

「あなたは・・・」

「兄ちゃんがリムジンで送ってくれたんだ」

「ありがとうございました」

「いえ、俺も見舞いに来たついでです」
シスターに花を渡す

「ありがとうございます」
シスターは微笑んだ

それにしてもいつ用意したんだろう

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