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狼さんの腕のなか

第2章 取り引き

「昌也やめなさい」
彼から昌也を引き剥がす

「こういう状態なの、答えなんて出すよりも
目の前のことでいっぱいいっぱいだから
帰ってください」

「ごめん兄ちゃん・・・美琴姉病院行こう」
冷静になった昌也は歩き出す
「うん」
彼に背を向けたときだった

「乗せてってやる」
あたしの腕を引いてリムジンまで
引っ張る彼

「兄ちゃん?」

「お前も乗れ、送ってやる」
無愛想に言うとリムジンに乗り込む

「お乗りください、由紀斗様なりの
優しさです」
風間さんはドアを開けてくれる

「美琴姉、せっかくだし乗せてもらおう?」

「・・・う、うん」
私たちは乗り込んだ

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