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狼さんの腕のなか

第2章 取り引き

ー2日後ー

「美琴姉・・・」
あたしが孤児院を出ていくことを
聞いたのか昌也が悲しい顔をして部屋に来た

「あ、昌也」
あたしは笑顔を作る

「出ていっちゃうんだね」

「もしかして寂しい?」
冗談ぽく言ってみると

「寂しいに決まってんだろ!!」
泣いて飛び付いてきた昌也を抱き締めた

「すぐに会えるよ?」

「そういうことじゃない、一緒に・・・
みんなで暮らさなきゃ会えたって・・・」

「・・・」
昌也は火事以来、甘えてるというか
弱音や人に頼る回数が増えていると思う

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