テキストサイズ

狼さんの腕のなか

第3章 彼との生活

「ちょ・・・・・」

パジャマのボタンが外されて
胸に手が伸びたとき覆い被さって
いた人が誰かわかった

「由紀斗・・・くん?」

あの夢の日と同じで月明かりに
照らされる彼の赤い瞳は
あたしをケモノのような目で捕らえる

「嫌ならちゃんと抵抗すれば?
そしたらやめてやるよ・・・」

あたしの知る限りでの普段の彼の
声にしては少し明るい声色で
耳元で囁いてくる

「どうしてこんなことするの・・・?」

あんなに冷たかった彼が
あたしを襲うようには見えない
彼の声、表情、発言がまるで
別人だと思ったあたしは彼に聞いた
けれど・・・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ