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Eternal Love…

第30章 ファンタジーランド


「うわぁーん…!ままぁっ…!ぱぱぁっ…!桜ぁ!どこぉ?」

イチャつくあたしたちのすぐ近くで泣いている男の子がいた。

多分…4、5歳くらい。

迷子…かな。

「どーしたの?」

ほっておけなくて、すぐ様男の子の元へ駆け寄って話しかける。

けど…

「っく…ひっく…」

泣いてばかりで答えてくれない。

…どうしよう。

これじゃ助けてあげたくても
助けてあげられない。

そんなとき

男の子の体がふわっと浮かんだ。

それはお兄ちゃんが
その男の子を抱き上げたから。

「男の子はどんなときでも涙は見せねぇもんだぞ。俺らが助けてやるから、なっ?」

優しいお兄ちゃんの声に、
男の子の涙もすっかり止まった。

「名前は?」

「はる…と。僕の名前は、はると」

「はるとか!いい名前だな」

「うん!お兄ちゃんは?」

「俺か?俺は零って言うんだ」

泣き止んだはるとくんは
おにちゃんと和気あいあいと話す。

まるで本当の兄弟…

いやあたしの目には親子に見えた。

「へぇーじゃあはるとはぱぱとままと妹と来たのか」

「うん!僕の妹、桜ってゆーんだ!すっごく可愛いんだぁ!僕の宝物っ」

「ははっそっか」

妹の桜ちゃんの話をするはるとくんはいきいきしていて桜ちゃんのことがすごく好きなんだなって思う。

「零くんとおねぇちゃんは恋人なの?」

「難しい言葉知ってんだなはると」

"零くんとおねぇちゃんは恋人なの?"

はるとくんの問いかけ。

お兄ちゃんは何と答えるんだろう。

恋人?

いや兄妹?

…どちらも間違ってないんだけど。

「このおねぇちゃんはな…」

ドキンドキンと胸が鳴る。

お兄ちゃんはあたしの瞳をしっかりと見つめて



「俺の恋人だよ」




はっきりとそう言った。

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