眠れぬ王子と猫な僕
第16章 誓いのリング
「り、ぃ…さっ…ひぃぅッ!」
急に押し倒されて髪を掴み引っ張られる。
「もう………お前のココロなんて必要ない。
此処にお前がいればいい。」
不意に切なげな目を見せる璃依さんは、
ズルいとおもう………
僕は……
きっと、この人を
本気で嫌いにはなれない。
「璃依さん…………」
この人は………
かわいそうなひと…………………
昔の僕と、おんなじ。
悲しい気持ちになって、左手でそっと璃依さんの背中をなでた。
「?
なんだ?」
「ごめんなさい…」
(貴方を、好きになれなくてごめんなさい……)
「お前が謝る理由ないだろ
何を隠してる?」