眠れぬ王子と猫な僕
第16章 誓いのリング
「もう…………許して、くれませんか?」
上擦った声を絞り出して、涙を溢した。
「許す?なにを?」
「ぜ、んぶ……ぜんぶ!
……かえり、たぃ…っ」
溜まりに溜まった心の声が喉を焼いた。
璃依さんに捕まり、もう長い。
僕の心はもう限界なんだろうか...?
「いっただろ?
俺はお前を一生逃がさない。」
璃依さんは立ち上がり奥の部屋へ行った。
「…………ふっ……ぐぅ……ぇえんっ」
もう枯れてしまったのか、出たのはほんの2、3滴の涙で
後には嗚咽だけだった。