眠れぬ王子と猫な僕
第16章 誓いのリング
「立てるか?」
「うん……」
僕はベッドから降りて瑛兎さんの少し後ろにたった。
「おい、お前。どうされたい?
警察に引き渡すか、俺が直接やるか」
「ひぃっ!?
頼むっもう見逃してくれ」
「そんなことできるわけないだろ」
「瑛兎さんっ……!
………僕は、それで…いい、よ?」
「でもっ!お前にこんな…っ」
瑛兎さんの言いたいことはよくわかる。
別に璃依さんに同情した訳じゃない。
ただ、瑛兎さんの怒った顔とか、怖い顔とか……………
見たくなかった………
「せめて……警察にしよ?」
「わかった。こいつは警察に引き渡すよ」
瑛兎さんは携帯で何かを送信してもう一度璃依さんを見た。
「もう二度と……俺達の前に現れるな。」
瑛兎さんは僕の手を引いて歩き出した。
ゆっくりと、起き上がる影……
ギラリと光る無機物。
「おお゛ぉぉおっ!」
「瑛兎さん!危ないっ!!!」