眠れぬ王子と猫な僕
第16章 誓いのリング
――ピクッ
「え………?」
―――ピクッピクッ
「妖巳………、聞こえてるのか?」
「……………ぅ……」
「わ、私、先生を呼んできますっ!」
明日香は病室を出ていった。
「落ち着いてゆっくりこっちに来ればいいから………
俺は此処にいる。」
「………………ん…………ぇ」
妖巳は苦しそうに眉間に皺をよせていた。
「雨凪様の容態はっ?」
「俺の声に確実に反応していて
指先も動いています」
「…………ぇ……ぃ…………ん………」
「あの状態から………。
信じられない……」
医者は息を呑んだ。
「駿咲さん、そのまま声をかけ続けてください。
弱い電流を流して意識を刺激します」