眠れぬ王子と猫な僕
第16章 誓いのリング
「僕、瑛兎さんを庇ったことね、全然こーかいしてないよ?
助けに来てくれるって、信じてたから……。すごく……悲しかったけど…瑛兎さんはもうここにいるから、だいじょうぶ」
「あ、りがとう…!
そうだ。あの時に電話がかかってきたの覚えてるか?」
「うん。」
「あの電話な、実はある店からだったんだ」
「お店…?何のお店なの?」
「妖巳が戻って来たら、すぐに渡そうと思ってた。」
俺が、妖巳にどうしても渡したかった物。
箱に入ったソレをポケットから取り出した。
「きれいなラッピング!
それなぁに?」
「コホンッ……。
妖巳、真剣に聞いてくれるか?」
「うん。わかった」
「俺はあの電話が鳴った時、こんな風になるとは思ってなかった。
正直、このタイミングで渡すのはどうかとも思ったけど、形にしておきたかった。」