眠れぬ王子と猫な僕
第16章 誓いのリング
「ふぇえんっ……うれしいッ………うれしいよぉ…瑛兎さんッ」
「そっか……よかった………」
「僕も、だよ……っ………僕も、あいして……ッ……ぅ!」
「妖巳……!」
瑛兎さんは僕を強く抱き締め返してくれた。
「あ、そういえば退院はいつなの?」
「いつ頃でしょうか?」
「そうですね。2週間様子を見ておきましょう」
「瑛兎様はきちんとした生活をしてくださいよ?妖巳様も、無理をなさらずに。」
「はぁい!」
「すごい心配したんだけど、元気になってくれてよかった」
そう言って瑛兎さんは僕の髪をぐじゃぐじゃと少し荒く撫でた。