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眠れぬ王子と猫な僕

第4章 モノクロな王子












「あの、ごめんなさい…」





「ん?なんで謝るの?俺の単なる自己満足だよ。」





「じ、こまん、ぞく?ごめんなさい、僕、がっこ、行ってないから、わかんない……」






「行けなかったんだね。まぁとにかく気にしないで。……ねぇ、妖巳、ここで俺と暮らさないか?」





「え?だめっ!だめだよ!」






「どうして?」





「それは、、、僕が、汚くて醜いから…」





「そんなことないよ。妖巳は、綺麗だよ。ほら、その瞳も銀色の髪も真っ白な肌も美しい。」






「違うっ!僕は、僕は汚いんだッ!!だって僕は、化物だから!」





つい、大きな声で怒鳴ってしまう。



だけど、瑛兎さんはわかってないんだ。









あっ、でも、わかってなくて当たり前だ。





まだ、会ったばかりなんだから。






「化物?どうゆうこと?話して妖巳。」







「………っ。やだ。」





「話して?知りたいんだ。妖巳のこと。」






「いやだ。知ったら僕、嫌われちゃう。嫌われたく、ない。やだ。」







「嫌ったりしないよ。俺だって普通じゃない。ちゃんと受け止めるから。」




瑛兎さんは僕の瞳をまっすぐみつめる。





この人は、僕を受け入れてくれる。







そんな気がした。






「僕は、人間じゃないの。化け猫なんだ………」










僕は今までのことを全部話した。




話し終えると瑛兎さんは僕を抱き締めてくれた。








初めて感じた温もりに僕は泣き崩れた。






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