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眠れぬ王子と猫な僕

第9章 風邪

瑛兎side







一日中休んでいたら、すっかり熱も下がり、体調も整った。










そこで少しだけ妖巳のいる部屋へ行くことにした。















と、言っても今は夜の12時。







妖巳はぐっすり眠っていた。











妖巳は寝顔も可愛いな。






そっと妖巳の髪に触れ、頭を撫でる。










「……ん。」





「やば、起こしたかな?」








だが、妖巳はすぐに寝息をたてはじめた。






ホッと息つく暇もなく、






今度は俺の手に頭を擦り寄せてきた。









気持ち良さそうな顔をして、くすんと鼻を鳴らす。









「完璧に猫だ………。俺の理性もつかなぁ??」











妖巳はしばらく気持ち良さそうに眠っていたが、急に小さくうめき声を挙げた。









何事かと思い、口元に耳を寄せると、










「お、かあ、さ。ごめ、なさ、い……」








と、確かに聞こえた。








その後も、苦しそうに何度も謝っていた。



















その美しい瞳からは、涙が流れた。




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