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眠れぬ王子と猫な僕

第11章 学園と嫉妬と危険な香り

瑛兎side








「はぁー……」




「でかい溜め息。」




「お前らのせいだろ。」


妖巳と別れ教室に戻ると、既に冷が自分の席についていた。



愁も席は遠いが教室にいた。


「まぁな。昔から可愛いものに目がないんだよ。愁は。」




「だからなんだよ。」




「だから、暴走したわけ。たまにあるんだよ。あいつの悪い癖。」




「あんだけ言っただろ!手はだすなって!」




「でたよ、お前の悪い癖。お前な、独占欲強すぎ。あれは誰でも怒るよ?それは分かるけど……」



「けど、何?」



「この際だから言うけど、お前今日ずっと機嫌悪いよな?」




「そ、れは……」



「妖巳が他の奴と仲良くなんのが嫌なんだろ。本心は、閉じ込めて自分だけのものにしたい、だろ?」



冷はいつも変なことで核心をついてくるから、さすが親友だと思う。


「俺さ、本気で好きなんだ……」



「ああ。知ってる。」




「………どうすればいい?」



「どうすればって?もう恋人なんだろ。」



「妖巳は、イイ子のふりしてる時の俺が好きなんだよ……。それに、妖巳はまだ他の人と関わりが無いからさ、仲良くなったら乗り換えるかも。」




「そうか?妖巳はお前の裏の顔、気づいてると思うぞ。」



「え?本当か?」




「ああ、多分。その上で好きなんだろ。」



冷は、俺の足を蹴った。



「痛っ!なんだよ?」




「うじうじすんな。気持ち悪い。」









「…………ぁりがとな。」




冷は笑いながら号令をかけた。









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