眠れぬ王子と猫な僕
第12章 甘美な誘惑
「………瑛兎さん、なんで僕が可愛いとか言われるのかな?小さいから?」
「どうした?急にそんなこと。」
「だって、放課後の事とか。なんで僕が選ばれたんだろ?」
「妖巳が可愛いのは小さいってだけじゃない。顔も性格も可愛いよ。」
「……瑛兎さんは、僕が可愛いと思う?」
妖巳は不安げに眉を下げ、俺の腕を掴んで首を傾ける。
「……妖巳、それ、反則っ…//」
「ふぇ……?」
「ああ〜、いや。可愛いと思うよ。だから心配なんだ…」
「心配…?」
「そう。だからさっきみたいなこと、俺以外にするの禁止。」
「ん?なんのこと?」
妖巳は無自覚なのがたまに傷……。
「んま、とにかく気をつけて?」
「うん!」
『えー。あーあー。駿咲瑛兎くん、至急職員室に来てください。』
「あ、瑛兎さん呼び出されてるよ?」
「どうしよ。行きたくないな、ははッ」
「だめ……行かなきゃ………。もうHR始まるから………大丈夫っ!」
「わかった。行ってくるな、また休み時間に来るから。」
「えへへっ♪後でねぇ。」
小さく手を振る妖巳に笑顔で応えて階段を降りた。