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眠れぬ王子と猫な僕

第12章 甘美な誘惑

放課後゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*゚+.*


妖巳side




今日もなんとかのりきって放課後、僕は掃除道具を持って科学室のドアを開けようとしている。





「すぅー、はぁー。よしっ」




深く深呼吸して、ドアを開ける。




――ガラガラッ




「失礼しま、す。掃除、当番で…きました……」




「おや?君は最近転入した子だね?」





「は、ぃ。雨凪…妖巳、です…」





「そうか。じゃ、掃除初めてくれるかな?」




「はぃ……」



この人が岩倉先生かぁ…



なんか……




お客さんに似てる………






僕はほうきで床を掃いていく。




岩倉先生は椅子に座ってパソコンを使っている。





掃き終わった僕は雑巾を持って拭きはじめた。



岩倉先生に背を向けて丁寧に拭いていると、後ろから視線を感じて振り返った。





「うわっ!い、岩倉先生?」



振り返るとすぐ目の前に岩倉先生の顔があった。




びっくりした僕は雑巾で手を滑らせて、床に倒れこむ。




「いたぁい……」




「はぁはぁ。君、可愛い顔しているね。先生が特別授業をしてやろう。」




「へ?……いぅっ、やだ、ぁ」




岩倉先生は僕を立たせて、壁に押し付ける。




「怖いか?」



「…ぃや、なに……を」




自分が怯えてしまっているのが分かる。



思いきって睨むと、彼はにんまりわらった。




「それ逆効果だってしらないのか?」




「離し……て…っ」




「可愛いなぁ」




どんどんと近づく岩倉先生は、ぐいっと腰を押しつけている。



肩を捕まれて身体全体で壁に押し付けれると、それだけで小さい僕は身動きとれなくなる。



岩倉先生の体温や身体の感触が、服越しに伝わってくるのが気持ち悪い……




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