眠れぬ王子と猫な僕
第12章 甘美な誘惑
「や………っ!」
先生の身体を押し返そうと身をよじると、下肢の硬いものが腰に押しつけられてるのに気付いた。
その存在に、ゾッとする。
「離して、よ……っ」
身体を離したかったけど、下手に動くと岩倉先生の自身を刺激することになるから、上手くいかない。
「どうした?もっと腰振れよ」
なにも出来ずに俯くと、首筋をねっとりと舐められて、気持ち悪さに鳥肌が立つ。
「いやだっ!」
岩倉先生は僕のブレザーのボタンを外していく。
シャツの上から身体を触られて、声が出てしまう。
「ぁ……やぁ…」
次の瞬間、シャツが破かれて身体が露出する。
露になった肌を岩倉先生の手が厭らしく這う。
「もぅっ……やだぁ!」
大きな声で叫ぶと、手で口を塞がれる。
息苦しくて涙がこぼれた。
そのまま、岩倉先生の手は胸元へのびて、乳首を爪で転がしている。
「……っ」
もう頭はパニック状態で呼吸もままならない。
「やめ……っ!」
必死で口を塞いでいた手を押し退ける。
岩倉先生はまた笑い、乳首を強くつねった。
「嫌なのか?さっきは声も出てたのに?この身体いっぱいに、痕がつくように吸ってあげようか。」
「ぉねがっ…もぅ、しないで……」
――その時、ドアの方から愁さんの声がした。
「岩倉先生、その子から離れて頂きましょうか。」
愁さんは岩倉先生を僕から引き剥がし、壁に叩きつけた。
「お前らは、生徒会の……!違うんだ!俺は何もしていない。こいつが勝手に!」
「妖巳が勝手にか……。苦しい言い訳だな。」
「うぅっ……瑛兎さんだぁ…!」
瑛兎さんに抱き締められて落ち着きを取り戻した僕は瑛兎さんに頬擦りする。
「瑛兎、こいつどーする?」