眠れぬ王子と猫な僕
第12章 甘美な誘惑
まるで蕩けたような瞳で俺を見る妖巳は、魅惑的だった。
「瑛兎さん、好き……大好きっ」
呼吸を整えた妖巳は、俺の背中に手をまわす。
「妖巳、最後までするか?」
「……僕、やっぱり…怖い……。」
「そうか。じゃあここまでに……」
「待って…っ。怖いけど……最後まで、したぃ……瑛兎さんと、繋がりたぃ………」
語尾が小さくなってるのを聞くと、自信が無くて不安なのが手に取る様にわかる。
それでも、あんな風に気持ちを打ち明けてくれる妖巳を心から愛しいと思える。
「わかった…。妖巳が辛くならないように、努力はするかなぁ」
「ど、どういう意味………?」
「いや、妖巳相手に理性は保てないから……、嫌いにならないでな?」
俺は妖巳の孔を舌でなぞる。
「え?うそ……!んぁ……っ」
妖巳は驚いているようだけど、”慣らす”のは当たり前だ。
女と違って、男同士が繋がるのは挿れられる側の負担がかなり大きい。
「ちゃんと慣らしておかないと、後で妖巳がきつくなるんだよ?」
「んッ……だ、けど…ぁあ……ぅ」
「指、挿れるよ?」
「………う゛ぅ…っ」
妖巳の瞳から溢れてくる涙を手で拭って、ゆっくり挿れていく。
そのまま中を掻き回す。
「ッン、……やだ、……っあ、…ンッ……っ」
指に先走りを絡めて、二本に増やす。
「っは、……ッぁ、あ………っ」
「妖巳、気持ちいい?」
「っ……はぁ、はぁ……。瑛兎さん、もう、挿れて?……おね…がい……」
甘い甘い吐息混じりのおねだりに、頭がくらくらする。
俺は自分の服を脱いで、妖巳にできるだけ優しく口づけた。