眠れぬ王子と猫な僕
第13章 哀しみの連鎖
「お洋服……どうしよう…」
「大丈夫。持ってきてあげるから」
「……うん。ごめんなさい…」
「謝ることないよ。そんな格好にさせたのは俺だしね」
「〜//」
瑛兎さんは笑って部屋を出た。
格好よくて、王子様みたいな瑛兎さん。
僕が思ってたより何倍も幸せな生活ができてる。
その反面、不安もあるけど…
瑛兎さんが守ってくれるよね?
「妖巳、服これでいいか?」
「ありがとう♪」
「今日は学校休みだし、デートしようか?」
「デート?本当?絶対だよ?」
「嫌がらないんだな。」
「なんで僕が嫌がるの?約束だよ?」
「ああ、わかってるよ」
瑛兎さんと外に出かけるのはたまにしかできなくて
おまけに1時間くらいしか時間がとれないからデートなんて無理だと思ってた。
「何処に行こうか?」
「僕、わかんないから……」
「じゃあ、デパートに行こう。それなら、妖巳も行きやすいだろうし」
「もう着替えたし、早くいこうよ♪」
「よかった。」
「ん?なぁに?」
「いや、出会った頃とは全然違う。妖巳が幸せそうになってよかった、てね」
「瑛兎さんのおかげだよ、ありがと♪」
僕らは家を出て、いつもの車に乗り込んだ。