眠れぬ王子と猫な僕
第13章 哀しみの連鎖
そのあとは、お昼ごはんを食べながらスマートフォンの使い方を教えてもらった。
初めてのケータイにも慣れてきて、色んな所で瑛兎さんと写真を撮った。
「瑛兎さん、見て!これが、すかいつりー?」
「あぁ、そうだよ。俺も実際に見るのは初めてだなぁ」
デパートを出た僕らは、東京の観光地を見に行こうと言うことで
すかいつりーに来ていた。
「すごいよっ。凄くたかあい!」
「折角だし、上までのぼろうか?」
「うん。行こぉ」
〜〜数分後
「きれ〜い♪いい景色だね?」
「凄いよな。家が見えるぞ」
「えー?どこどこ?」
「ほら、あそこ」
「ふぅぁッ///」
急に手をとられて、変な声が出てしまう。
「ん?なに?妖巳、誘ってんの?」
瑛兎さんは、僕を見てクスクス笑っている。
「ち、違うの!びっくりしただけ……」
「ふ〜ん……」
「うわッ…」
瑛兎さんが空いたほうの手で僕の腰を抱き
くいっと引き寄せられる。
「近い、よ…//」
瑛兎さんは僕の髪の毛に鼻をつけて
「妖巳、いい匂い……」
と呟いた。
「妖巳の匂いって、甘くてさ
ほんと、ゾクゾクする…」
今度は耳元で囁かれる。
「や……耳…だめ」