眠れぬ王子と猫な僕
第13章 哀しみの連鎖
「お前らさ、こんなとこで何しちゃってんの?」
「妖巳ってば、やぁらしい♪」
「あ……お前ら……」
「冷さん、愁さんっ///」
後ろから声を掛けてきたのは、冷さんと愁さんだった。
「やぁやぁ!奇遇だねぇ♪デートかなぁ?」
「そうだよ。お前らもか?」
「愁と俺は挨拶にいった帰り。」
「挨拶って、誰に?」
「愁ん家」
「お前ら結婚でもすんのかよ……」
「結婚つーか、一生離れる気ねーしな。」
「僕のパパ、親バカでさぁ。
前に冷のこと話したら怒ってね、冷が挨拶に行こうっていいだしたの。」
「許して貰えたんですか?」
「まさか……」
「パパね、冷の顔を見るなり
二度と息子に近付くな!
て、怒鳴って冷を殴ったんだよぉ。僕びっくりしたぁ」
「ま、当然だな。」
「でも、それだけ愁さんは愛されてるんですね」
「ん〜、でもねぇ、パパ頑固だから♪困っちゃう♪」
口ではそう言いながら、愁さんは楽しんでるみたいだなぁ…
ちょっと羨ましい…
僕の父さんはどんな人なんだろうな……
「ところでさぁ、二人ともこのあと時間空いてるぅ?良かったら一緒にデートしよぉ♪」
「どうする、妖巳?」
「瑛兎さんが決めていいょ…」
本当は行きたいけど、
我が儘になるかもしれない……
瑛兎さんはじっと僕の顔を見て
「そうだな。行く」
ドキッとした。
瑛兎さんには僕の気持ちが読めるんだろうか……
「んじゃ、れっつゴー♪」