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怖バナ特集

第1章 君が望むなら

『私、おみまいに行って、さきに謝らないと……』

『--さきちゃんの事、キライなのに……?』

怒ったような智哉さんの声に驚いて、ハッと顔をあげると、そこには、いつもの智哉さんの笑顔はなかった。

-ー-何、この暗い目……。

私は一瞬、ゾッとした。こんな智哉さん、見たことない。
『だ、だって……さきは親友だし。キライって言ったのは、冗談で……』無意識に声が震えた。

(……どうして?私、智哉さんを怖いって思ってる……)

クスッ……と笑う声に、ビクっとする。

『なんだ、冗談だったんだ』
智哉さんは、ニコッと笑った。

『でも今は、さきちゃんもしんどいだろうし、それに、来週は中間テストもあるしね。もう少し後にしたら?』

優しい笑顔……いつもの智哉さんだ。

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