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第10章 裏と表(律視点)

「フフッ、あの子が貴方に好きって私達の前で言えたら貴方の勝ちよ」

呆れる発言に、俺は睨みつつ女に返す。

「ようは、睦月に言わせれば俺の勝ちなんだな」

「但し言わせるだけじゃあ、面白くないわ。だから――」

そう言い、女は黒く歪んだ表情で説明するのだ。聞いていて、何のために言っているのか俺には分からないが仕方がない選択だった。

ルールその一
睦月にゲームのことを話してはいけない
その二
無理に言わせてはいけない
その三
二人だけで会ってはいけない

後は、彼女の精神が崩れてしまったら
この女の勝ちらしい。

最後に俺が負けたときは
睦月と離れこの女に忠誠を誓えと言われた。

溜め息が漏れる。要するに俺が原因で、睦月にゲームの勝敗を決めさせろということらしいが。


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