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第13章 真実と罠

「何を……」

声を出し野原を見る

「説明してあげなよ、野原。君がやろうとしてた事をさぁ……」

「――名取っ! 私を裏切るつもり!」

声を荒げた野原。名取はフッと鼻で嘲り笑う。

「裏切る? 最初っから、僕は君の仲間になったつもりはないよ」

聞き、苦虫を噛み潰したような表情の野原に名取は続ける

「あの事件から、僕が君に忠実だったんじゃない。機会を狙っていただけさぁ。野原が金剛から離れる時をね……」

あの“事件”とは暴力沙汰の事なのか、私が考えていると名取は言った

「ねぇ、僕の時のようにゲームをしてたんだよね?」

「くっ……」

野原は唇を噛み締める。不意に私に向けられた名取の視線

「野原はね、君の大事な人を奪う為なら何でもやるような醜い女でね。君達の仲を引き裂いて、長谷川を奪うのが僕らの目的だったんだよ。だから、僕が君に近付いた」

最初から全部仕組まれた事だったと知る。

「お陰で僕は君を利用出来たし、長谷川を遠ざける事も簡単だったね。君の言葉に傷付いただろうなぁ」

言わせておいて、私を苦しめる

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