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第13章 真実と罠

だから、律は名取に近付くなって言っていたんだと気付いた。後悔しても遅い、言ってしまった私が悪いし言葉は取り消せない。

いますぐ会いたい

それで、ちゃんと訳を説明して
今度こそ伝えたい

本当の気持ちを

ギュッと手を握り締め、私は睨んだ

「大体は分かりました、それで名取君は何をするつもりですか!?」

「何って、復讐かなぁ。ねぇ、野原……」

そう言い名取の視線が私から逸れ、野原を敵視するように鋭く睨んだ

「あのときの彼女の気持ちを知ればいい」

恐ろしく低い声に、軽く身体が震える野原を私は見ていた

名取が近付きながら野原は後ろに下がる。

それを見ていたが、野原は叫んだ

「あれは、私の指示じゃないわ!! あそこまで、やれなんて言ってない!!」

「へぇ、でもさぁ、そんな言い訳が許されるとでも思ってんの?」

「うくっ……」

睨み付けられ、野原は唇を噛み締める。背後の逃げ場がなくなり、壁に追い詰められた野原に名取は楽しげに言った

「あのときの再現っといきますかぁ。ねぇ、野原……」

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