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トライアングル・ラブ

第20章 “欲しいもの”



「…本当に欲しいもの…。」


私が小さく呟くと、真理は駆け足で教室を出て行ってしまった。


真理…。
追いかけるべきか。
一人にしておくべきか。


「何かあったのか?」

「山ちゃん…。」


私は山ちゃんを見たあと、目線を地面に落とした。


裕也にまだ伝えていない真理の気持ちを、私が他人に言ってはいけない。


「…姫奈、ちょっと来て。」


山ちゃんが私の手を引き、教室の外に出た。

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