トライアングル・ラブ
第25章 押された背中
「裕也言ったの。“気持ちは嬉しい。でも、ゴメンな。”って。分かってたことだけど、やっぱり悲しくて、最後に諦めるために、一緒に回ってって頼んだの。裕也はそれにさえ、最初首を縦に振らなかった…。」
同情なんかではないが、真理のことを思うと胸が締め付けられる。
もし自分だったら。
諦めるために一緒に回ってなんてとても言えない。
「諦めるから、って何度も言ったら裕也は苦笑しながらやっと首を縦に振ってくれたの。それで、裕也最後に言ったの。“川上さんのおかげで、俺も少しは素直にならなきゃって思った。ありがとな。”って…。私といたことで、裕也がプラスになったなら、それだけで嬉しかった。」
真理は吹っ切れた笑顔で私に言った。