トライアングル・ラブ
第25章 押された背中
「だから私、もう卑怯なことしたくなくて、裕也に告白したの。“文化祭一緒に回って”って。」
私が盗み聞きしたあの話だ…。
「でも裕也は答えくれなかったから、“一緒に回ってくれるなら14時にここにまた来て”って頼んだの。私も賭けに出たんだ。」
真理は溢れる涙を手でぬぐい、ニカッと私に笑いかけた。
「私、14時まで待てなくて、15分前に着いちゃったの。でも、私より先に裕也が待ってたの。一瞬、裕也が気持ちに答えてくれた!なんて舞い上がったけど、そうじゃないって裕也の顔見てすぐわかった。」
その時の状況を思い出したのか、また涙を流し始める真理。